2020年になってから『朝井リョウと加藤千恵のオールナイトニッポン0』を聞いてみた。この番組は2015年頃にニッポン放送系列でやっていた番組。人気若手作家の2人がパーソナリティーとしてオールナイトニッポンをやっていた。
私はラジオ番組録音用のウォークマンを10年以上使っているのですが、その中にずっと入っていました。基本は1回聞いたら消すので、相当心に残った回だから残していました。オードリーの若林さんがゲストに来た回でした。
今でも朝井リョウさんのことが好きで、ニッポン放送系列『ヨブンのこと』を聞いていますが、『ヨブンのこと』との違いも感じたので、書いてみます。
朝井リョウ・加藤千恵 2人の作家が綴る普遍的なテーマ
人気若手作家の2人ということもあって、物事への感性が鋭い。好きなもの、気持ちへの話が豊富。有名人・芸能人がする話はどこか「人気であろうとする」感じが気になってしまうことがあるが、作家にはそれがないと思った、これも固定概念かもしれないが、芥川賞をとった西村賢太さんが記者会見で「風俗に行こうと思っていた」と発言したことが話題になったこともあり、作家は好きなことを言えるイメージがある。
言葉を仕事にしているので、人気をキープするための発言をする必要はなく、感性の鋭さで勝負すればいい。人気作家とはいえ、周りの友達に同じ小説を読んでいる人はほとんどいない。テレビとは対象にする客数が違う。だから、自分に刺さる、自分のために話してくれている感じがするラジオに非常にマッチしている。それを体現していたラジオ。
NOTTVの話とか楽屋の話とか、人狼の話とか
話で覚えている小ネタなどについて。
・「NOTTV(ノッティービー)」についていじっていた。
今では消えてしまったNOTTVの話をよくしていましたね。多分、ここで触れなかったら一生「NOTTV」(この綴り含めて)に再開する事はなかったと思います。朝井リョウさんは当時の最先端をいじってきますね。いじる事で評判にする手口ですね。
・楽屋の話とかライブに行った話とか。
2人とも音楽とお笑いが好きで、ライブに行った話をよくしていた。フリートークでは芸能人がしないような一般的な話もするんだけれど、関係者席で見た話や楽屋挨拶の話をされると、「やっぱ芸能人か」と寂しくなっていた自分がいました。当たり前に行っているのではなく、「私なんかが・・・」って感じで行ってるのがいいんですがね。
・人狼をやった話
やはり、一般人でもアッパー層というか、お金があって、都心に友達が多い人の生活という感じを見せつけれられたような気がした。「憧れたOL生活」のような。特に加藤千恵さんはそうですね。
加藤千恵と高橋みなみとの違い
『オールナイトニッポン0』では朝井リョウは小説家の加藤千恵と
『ヨブンのこと』では朝井リョウは元AKB48の高橋みなみと一緒に番組をやっている。
『ヨブンのこと』が3年以上続いているので、高橋みなみとのコンビがもう定着しているが、加藤千恵とやっていた時と朝井リョウのスタンスが違うのがわかる。高橋みなみは年下の元アイドル、加藤千恵は6歳上の歌人・小説家。言葉を生業とするもの同士ですでに売れている先輩には自分の考えを伝えつつ、先輩に方向を修正してもらうような感じ。元アイドルの後輩には学のなさをいじりつつ、普遍的と思えるテーマを話していく感じ。
印象的なのは、朝井リョウがいじる側に回る時、
高橋みなみをいじるときは「なんでー!」とか「違うー!」とかいかにもな反応をしているのを朝井リョウが楽しんでいる感じ。
加藤千恵をいじるときは結構のってくる。笑いながらボケに乗っかる「大人のお姉さん」という感じの対応。
単純に朝井さんの反応だけ見ると、高橋みなみとの会話の方が楽しそうだ。
今、話題の人がかつてどのような話をしていたかは興味深い。テレビの過去映像はよく使われるが、ラジオだと話し方の違いが見れてより深くまで知れる気がする。