2022年10月22日『朝井リョウと加藤千恵のオールナイトニッポン0(ZERO)』が一夜限定で復活しました。
小説家・歌人がやるラジオとして、2015年の放送当時から人気を博しました。6年半後の2022年にファン待望の復活を遂げました。
筆者ももれなく、当時からのファンですので、感慨深く聞いていました。やはり、作家らしい視点で面白いラジオでした。
当時のラジオの感想を思い出しながら、復活版の感想を綴っていきます。
レギュラー放送は2015年4月から2016年3月の1年間
まずは、レギュラー放送の内容について振り返ります。
オールナイトニッポン0は2018年頃から、数年に渡ってレギュラーを続けるパーソナリティが出ていますが、当時は「1年限定」が原則でした。
売れる前のお笑い芸人や、ミュージシャン、タレントがパーソナリティを務めています。
朝井リョウと加藤千恵もその枠で、オールナイトニッポン0を担当。
2人のサブカル知識と言葉選びが非常に面白い番組を作っていました。ハロプロやラジオが好きな朝井リョウ、小沢健二やお笑いが好きな加藤千恵。
2人が敬愛するオードリーの話も多い。さらに、普段起こったことを作家ならではの視点で、語っているのが面白かった。
特に、朝井リョウの視点は時に「意地悪」と感じられるようなこともあるが、どこか共感してしまう機微を絶妙にとらえている。
その感情の描写は、代表作である『正欲』や『どうしても生きてる』でいかんなく表現されている。
「面白い」に加えて、考えさせられる貴重なラジオだった。
朝井リョウと加藤千恵とは
朝井リョウと加藤千恵はともに小説家で、2022年現在、30代。若くして売れた2人の視点が非常に面白い。
朝井リョウは直木賞作家 代表作は『正欲』
朝井リョウは『霧島部活やめるってよ』や直木賞受賞作『何者』で知られています。
若いのに人間の心を捉える点については、唯一無二の存在である。
プライベートでは、Creepy NutsのDJ松永やオードリーの若林正恭と仲がいい。
また、小説家では加藤千恵のほか、西加奈子・村田沙耶香・中村航と交流があると語っている。
加藤千恵は歌人・小説家
加藤千恵は歌人・小説家。地元旭川のラジオ局で、高校生の頃から番組パーソナリティを務めるなど、若くから歌人の才能が認められている。
多くの歌集・小説を出している。
朝井リョウからすると、年上のお姉さんで、岡村靖幸・小沢健二などサブカルチャーに精通している。
小説家としての視点が垣間見えることもあるが、いろんなことに詳しい女性というイメージが強い。
レギュラー放送終了後には、息子を出産しており、2022年の放送では息子と一緒に出かけた話をしている。
芸能人との交友関係の話が多く、人狼をやった話をするなど、東京にいる「リア充」という感じ。
2022年復活オールナイトニッポン0放送の感想
2022年10月22日の放送は6年半ぶり。
朝井リョウは数年前まで、同じニッポン放送で高橋みなみと『ヨブンのこと』という番組のレギュラーを務めていたが、加藤千恵とのコンビは久しい。
朝井リョウの「胃腸が弱いキャラ」、加藤千恵の「純粋キャラ」など、かつてのファンだったら嬉しい話で始まる。
そして、岡村靖幸の「だいすき」。これで6年前の記憶が蘇ってくる。メール募集や辻仁成の話やら、なんともたまらない気持ち。
フリートークは2人にとっての、この6年半の話。
加藤千恵は、今月に会った小沢健二との話。
朝井リョウは、火事に見舞われた経験から得た話。
どちらも人間臭い話で、小説家の話はやっぱり「面白い」という感じ。
「笑う」というよりも、「わかる〜」という感じ。これがたまらない。
また、コーナーでは、小説の始まりを募集するコーナーで、2人の視点での解説が秀逸。
「誰でもいい」に自分は入っていなかった
など、心をえぐるよう入りとその解説。小説に求めていた、自分を救ってくれる感覚を与えてくれた。
あっという間に時間はすぎ放送はエンディングへ。フジファブリックの「赤黄色の金木犀」を聞きながら、フィラーのテーマを当てていたことを思い出す。
アットホームな感じがありながらも、センスがあって、考えさせられる貴重な時間でした。
また、復活してくれることを心の底から願っている。