ドラマスペシャル『スイッチ』の感想をネタバレありで書いていきます。
2020年6月21日21時から、テレビ朝日系で放送された約2時間のドラマスペシャル『スイッチ』が放送された。主演は阿部サダオと松たか子。脚本は坂元裕二。『Mother』シリーズ、『カルテット』、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』などを手掛けた有名脚本家。
『スイッチ』が2020年みた中で1番面白いドラマになったので思ったことを書いていきます。
【ネタバレ?】ドラマ『スイッチ』が2020年1番面白かった
ひたすら感想を。
ストーリーの肝は下記の通り。
弁護士の松と検事の阿部。検事が犯人の罪を証明する。弁護士が犯人を助ける。これが通常の構図。しかし、松が被害者の心理にスイッチし、加害者を殺そうとしてしまう(これは1度きりでなく、松の性格上のこと)。それを検事である阿部が止めにかかる。被害者を助けるはずの弁護士と加害者を追求するはずの検事がスイッチしてしまう。
『スイッチ』のタイトルが全てを物語っている。
阿部サダオ、松たか子、真島秀俊、中村アンの4名を中心に話が進む。阿部と中村、松と真島がカップルなのだが、関係がいろいろスイッチしていく。
私はあまりドラマをあまり見ないのだが、全体的にベタな設定が多いよう。
・恋愛における四角関係
・現在の恋人はスペックがいいが、相性がよくない。
・検事と弁護士が元恋人同士
・過去が明かされることで関係性や性格がわかる
・序盤に犯人が明かされ、どのように謎を解くのか見ていく(古畑任三郎方式)
・事件の真相が明かされるとともに進展する恋愛
よく聞く設定が多い。それを『スイッチ』というタイトルで表現しているのが凄い。
恋愛関係が終わることのスイッチ
恋愛が始まることのスイッチ
プライベートと仕事のスイッチ
狂気な性格に変わるスイッチ
「松と阿部」の仕事上の役割が本性ではスイッチしてしまう。
最後はスイッチのように元の関係に戻る。
タイトルからのネタフリが解消されていくようで気持ちよかった。
ドラマ『スイッチ』の概要
リーガルサスペンス・ラブストーリーと宣伝されている。
阿部サダオ・・・検事
松たか子・・・・弁護士
真島秀俊・・・・広告プランナー(?)
中村アン・・・・セラピスト(?)
阿部と松は昔、交際していた。
現在では「阿部と中村」「松と真島」が交際している。
序盤からそれぞれのカップルは相性があっていないようなシーンが繰り返され、阿部と松のカップルが相性がいいようなシーンが見せられる。
それぞれのカップルの恋はどのように進展していくのか、その最中起きる連続突き飛ばし事件はどのように解決するのか。犯人は序盤に明かされるのだが、どのように事件が紐解かれ、恋愛事情はどうなるのかを見所としているよう。
真島の広告プランナーと中村のセラピストはSNS等でインフルエンサーになっている人も多く、人気のあるキラキラした職業に見えるが、検事や弁護士といった歴史ある職業の阿部と松が揶揄しているようにも見える。
『スイッチ』というタイトル
タイトルと内容については最近、よく考えていたことだ。
作品でもコンビ名でもTwitterのハンドルネームでも名前は変わったものにするのが正しいと思っていた。インターネットやTwitterで検索する時代、被らない名前をつけることが大事。「ぺこぱ」と検索するとお笑い芸人「ぺこぱ」の情報が全て流れてくる。一方、「カレー」というお笑いのコンビもいるが、「カレー」と検索しても出てくるのは食事の「カレー」ばかり。M1グランプリで優勝したら検索結果が変わるかもしれないが、食べる「カレー」目的に検索する人がほとんど。だから、一般的な言葉を名付けるのはよくない。検索で出てこないし、エゴサーチもしにくい。
『スイッチ』も一般的な名前だ。過去に同名のドラマがあったかもしれないし、Eテレで英字『Switch!』という番組がある。ましてや「ニンテンドースイッチ」が話題になっているので、「スイッチ」で検索してもほとんどドラマの『スイッチ』は出てこない。これでは、検索されず、認知もされない。一般的なよくある名称をつけるのは失敗だと思っていた。
しかし、タイトルである『スイッチ』がこの作品では鍵になる。「入れ替わる」という意味もあれば、「ON・OFFを変える」、「元に戻る」という意味合いも含めることができる。これが爽快だ。タイトルが長ったらしかったら、タイトルに絡めた感動はなかったと思う。
宣伝にとってはよくないかもしれないが、観た人が受ける印象から考えると『スイッチ』出なければダメだった。「検索」だけを考えたタイトル付は間違っているということを思い知らされました。
いろいろ書きましたが、とにかくオススメです!