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伊集院光『深夜の馬鹿力』 野球芸人リーグでお金を使った話20200713

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伊集院光さんの月曜JUNK『深夜の馬鹿力』は15年位聴いている。私の中で1番聞き続けているラジオ番組だ。
いろんな芸人さんが伊集院さんの凄さを語る中で、最近なんとなく気づいたことがある。

伊集院さんの「お金の使い方」と「時間の使い方」がすごい魅力的だと。

伊集院光さんのお金の使い方

2020年7月13日の深夜の馬鹿力の放送を聞いた。そこで出てきた話。
「80万円を使った」という枕から話は始まる。そこから、野球芸人リーグの帽子を作る言う話に。色々と注文をつけているうちに業者と値段の話をしていたところ。「たくさん数を買っているので、もう少し安くなりませんか?」と聴いてみたところ、「うちは結構安いと思いますよ。200、300の大口であれば、割引にもなりますけど」と言われ・・・。「200個注文しますよ」と言った伊集院さん。

売り言葉に買い言葉というか。なめられた感じが気に入らなかったのか。
そこから200個の帽子を発注することになる話が続いていく。普通はそんな大口な取引しないから、大口ならではのエピソードが出てくる。発注までの時間が急に早くなったり、帽子だけでもダンボールで部屋のスペースの大部分が使われたり。

伊集院さんの話は本当の意味で「経験」にお金を使っているのが魅力だと感じた。

伊集院さんの時間と手間の使い方

お金の使い方だけでなく、伊集院さんは時間(手間)の使い方もすごい。
よく聞く話では「自分ルール」に厳しい。

自転車に乗ったり、スタンプラリーに行ったり、バッティングセンター巡りに行ったり、自分で決めたルールをひたすら守ることに厳しい伊集院さん。

タクシーを使える限定ルールを決めたら、どんなに歩くことになっても、どんなに坂があってもそれ以上はタクシーは使わない。
スタンプラリーでも、ルール違反に則っていなければ、スタンプを押すことは禁止。

自身で言っているように、驚くほど「自分ルール」に厳格でそのルールが話を面白く、聞き手を巻き込んでいく。
ロケでカメラが回っているわけじゃないんだから、ずるをしてもいいはずなのに、とことん拘る。
(そもそもプライベートで行っているだけなので、ずるもくそもない。)

時間をかけて、手間をかけてエピソードができ、巧みな話術でその顛末を届けてくれる。

お金と手間は使ったこと自体が話になりがち

伊集院さんのすごいところはお金や時間の使い方が一捻りされているところだ。
普通に生きていれば、自由な時間に一捻りなんてしたくないと思うし、芸人さんにとってはバラエティ番組のロケが一捻りも二捻りにもある。

バラエティ番組であれば、食事をぬくことも、ボケ続けなければいけないことも理解できるが、伊集院さんは自分を律してやっている。

お金や時間を使った話は「エピソードトーク」としてよくある。

お金を使った話はその豪華さとモノに「エピソードを大きくする力」があるからそれだけで十分面白い。
「レギュラー番組がないのに家賃30万円の家に引っ越した。」
「キャバクラに行ったら、1時間で15万円だった。」
単純にお金を使ったその過程が面白くなる。

時間を使った話はその感情が「エピソード」になる。
「暇だったからひたすらカレーを煮込んだ」
「1日でるろうに剣心を読み終わった」
それ自体をエピソードにする気がなくても、長い時間を過ごす中で思ったことや読み続けた感想で、エピソードになる。

私が聴いている芸人さんの話が力があるといえば、それまでだが。
お金や時間をかけた話はなんでも面白くなる気がする。

一方、伊集院さんはお金をかけて、他の芸能人がやらなかった「帽子の大口発注」をし、時間をかけて、「パワプロで卑猥な名前の野球選手を育てる」。

常に考えている人が博識と言われ、バラエティ番組で必要とされる理由もわかる。