よくニュースなどで見る「自粛警察」。
意味がわかりづらいような気もしますが、どうしてこんなにも広まったのでしょう。
「自粛警察」とは
「自粛警察」は「自粛を取締る一般人のこと」。
新型コロナウイルスの流行で「自粛」を求められる世の中になった。
日本では自粛はあくまで「要請」であり、法的に取締ることができないという側面がある。
だから、自粛を要請しても、自粛をせずに活動する人がいる。
「外出自粛」を国が呼び掛けても、外出する人がいる。
そんな外出する人を吊し上げて批判する一般人が「自粛警察」だ。
・休業を要請されているパチンコ店にクレームの電話をかける。
・公園でマスクをせずにランニングしている人に暴言を吐く。
このように公的な名称をつけた言葉は結構生まれる。
「お笑い警察」「うちの財務大臣」「恋のセラピスト」
世の中にはびこるかっこいい言葉
「自粛警察」は批判的に使われることが多い。
自粛は行われるべきだが、過度に取締る必要はないというのが世間の一般的な意見だ。
「過度に」というのは写真をSNSにあげたり、クレームの電話を何度もしたり
するような人がいるからだ。過度な介入が「警察」という名称とマッチしているのかもしれない。
新しい事象には「言葉」が生まれる。
「平成の怪物」「代打の神様」「東洋のガラパゴス」
新しい言葉なんだからなんでもいいはずだ。
「自粛警察」は見方によっては「外出批判市民」でもあるわけだ。
どちらも「外出する人を吊し上げて批判する一般人」のことだ。
多くの人が「自粛警察」を使うことで、この言葉が拡がる。
確かに4文字で的確に新しい事象を示している。
1つの言い方に収束した方が便利なんだけど
「自粛警察」という言葉ができると便利だ。
ハッシュタグ自粛警察でTwitterではツイートを検索することができる。
この言葉がなければ、調べるのも大変だし、
この事象のことを説明するだけで、多くの文字を使う。
一方でこの言葉のイメージがひとりあるきしてしまうこともある。
「自粛警察」。私も初めて聞いたときは意味がわからなかった。
警察だからいいイメージ、国の決まりを守らせる人というイメージがつく。
このいいイメージと実際に権限を持っていない人が過度な活動を行うというギャップが
この言葉を流行らせたということもあると思う。
揶揄するつもりで発せられた言葉がムーブメントを起こしていくもんなんだと感じた。
このように世の中は動いていくんだなと知っておくと言葉に踊らせなくなるかもしれない。
私も「自粛警察」の記事を書いてしまっているのだが。